「叫び」から「フィヨルドに昇る太陽」へ ムンクにおける自然との和解 - 心と神経の哲学/あるいは/脳と精神の哲学
北欧ノルウェーの天才画家エドヴァルド・ムンクは精神を病んでいた。おそらく幻聴があったものと思われ、それは彼の代名詞ともなっている「叫び」に表れている。「叫び」は1893年、ムンクが30歳のときに製作され、世界美術史に不滅の金字塔を打ち立てた名作である。この絵に描かれた場所はフィヨルドのほとりの道であり、ムンクはこのとき「自然を貫く叫び」を聴いたのである。雲が血のように赤く、畝っているのは、喀血を象徴しているらしい。ムンクがいかなる精神病に罹っていたかは詳細な記録がないが、幻聴があるとするなら統合失調症が疑われる。いずれにせよ、ムンクは自己の存在を根底から揺るがすような、強烈な不安を感じたのであり、それは幻聴を伴っていたのである。そして、この「存在の不安に共鳴する幻聴」に対して耳をふさぐ幽霊のような自画像を、阿鼻...「叫び」から「フィヨルドに昇る太陽」へムンクにおける自然との和解
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